Journal
えんぴつころがし2016.01.07
天秤の悪魔はどこへ行ったのか?
新年早々なんだとはお思いでしょうが、
これは、今から8~7年前くらい、
感覚的には1年程度の間、ずっと僕の脳内にあったイメージです。
幻覚ではないんですが、妄想というか幻想というか、
ただ、ひたすら意識の中にあった「なにか」です。
白昼夢に近いのかなあ。
当時はフリーランス2年生くらいですかね。
仕事が全然ないとか、あっても請求が出せないとか、
自分の実力不足にさいなまれているときに、
「すっ」っと降り立つんですよ。天秤を持った悪魔が。
で、言うんです。
「お前が大切にしていたものを差し出せ。
そうしたら、少しは力を貸してやろう」って。
でも、こちとら無一文に近い無職と紙一重の人間です。
ポケットをまさぐると、「会社員としてのキャリア」とか「固定給がある生活」とか、
そんなものしかないので、とりあえずそれを取り出して、
悪魔が差し出してきた天秤に乗っけるんです。
そうすると、自分がもう一方の天秤に乗っていて、
失ったモノ=天秤に乗せたモノの重さの分だけ、
高い位置に上昇できる・・・と、ここで、我に返る。
今こうして文章にすると、かなりアレですが、
もっと怖かったのは、その後、ある時期を境に悪魔を見なくなり、
さらに数年間、そんな妄念は記憶からも消えてたんですよね。
思い起こせば、ひとりぼっちで仕事をしていた頃は、
いろんな「なにか」が僕の頭の中に住んでいました。
例えば、「脳内営業マン」と「脳内プロマネ」です。
プ「だーかーらー!今月はもう、新規で仕事入れるなって言っただろ!!」
営「なに言ってんだ?いつからそんなに余裕こけるようになったんだ?」
プ「量増やして質落としたら意味ねえだろ!」
営「はあ?何様のつもりだ!」
はい。上記のような独り言を夜な夜なやってました。
今思うと、ちょっと正気の沙汰じゃありません。
でもまあ、実績ゼロのフリーランスがひとりぼっちで
仕事をはじめるなんて、多少の狂気がないとやってられませんわな。
(全力で首を振っている人がいるでしょうけどね)
でも、こういううっとうしい連中、
もう何年も会ってないんですよね。たぶん5年くらい。
ちょうどスタッフを入れはじめた時期なんで、
つまるところ、ソロのフリーランサー特有の
「独力依存」という状況の中で生まれた、
「役割分担」みたいなものだったのかも知れません。(それか、病気)
で、気がつきました。
ノープランで独立してもうすぐ9年。
僕はもうひとりじゃないんです。
脳内スタッフたちや悪魔はきっと、
役目を終えて、どこかでよろしくやってるんだろうなあ。
そんな風に思ったら、ちょっとセンチメンタルな気分に・・・
なっても怖いので、今日はもう寝ます。