Journal
えんぴつころがし2016.06.11
「本が出る」がドッキリではなかった件
思い起こせば2011年。
当時、宣伝会議での講義がそれなりに評判になりはじめて、
ロフトワークで設計思考で書く「2011年型Webライティング」
というイベントがそこそこヒットして、周囲から「執筆依頼がガンガンきちゃいますよ」とか、
「出版しましょうよ」とか言われはじめて、まあ、それなりにその気になってはみたものの、
結局、そのまま何も起こらず・・・
で、元々出版界をドロップアウトして広告系の道にきた経緯も含めて、
「うん。出版には縁が無いな…!」と、お仕事に邁進していくことになったわけです。
その間も、セミナーとかイベントの出演は増えていったんですけどね、
それが何らかのかたちになるということはありませんでした。
きっかけはスクーで授業を担当した
「書くプロ」ではない人のための「WEBライティング品質管理リスト」だったかな。
これを見た初代担当編集氏(もうASCII辞めてしまいました・・・涙)から連絡があり、
2014年7月(もう2年前かよ!!)、
ASCII WEB PROFESSIONALで連載を開始することになったわけです。
連載時に取り交わした約束はこんな感じでした。
(1)連載隔週ペース/ASCII→僕
(2)出版を前提としたい/ASCII→僕
(3)授業形式で書きたい/僕→ASCII
(4)イラストをふんだんに使用したい/僕→ASCII
(5)イラストは盟友・寺井麻美画伯に依頼したい/僕→ASCII
連載開始当時の僕は、まあ、それなりに忙しかったんですけど、
まあ、仕事で原稿を書くペースやなんかを鑑みて「隔週なら余裕」と踏んでました。
「出版を前提に」の件は、それなりに忙しいとは言え無名のコピーライターに
おいそれと本を出させるほど景気は良くねえだろうーと、話半分で考えることにしつつ、
寺井麻美画伯の起用だけはゴリ押ししました。
長年にわたって一緒に仕事をしてきた麻美たんとやれば絶対上手く行く。
そんな確信があったんです。
そして連載開始。これが初回からけっこうな反響があり、
サイトのアクセスランキングでは常に上位をマークするようになりました。
と、まあ、ここまでは順調でした。
しかし、僕にとっては予想外の「つまづき」が起こります。
それは僕の「遅筆」でした。
こう言っては何ですが、文章やコピーを書いて生活するようになって10年以上。
締切厳守でスピードにも自信があったんですが、これが…ぜんぜん書けないんですよ。
仕事が忙しかったこともありますが、一番の原因は他にありました。
それは、「クライアントワークではない」ということ。
この原因に気づいたときはちょっとショックでしたね。
僕は受託(=頼まれてやるお仕事)に特化しすぎていて、
「自分が自由に書いていいよ」ということに、
からだもこころも上手く対応できていなかったんですよね。
これで「隔週」が月イチになり、隔月になり…と、どんどん間が伸びて、
そのまま単行本化のための加筆期間に入り、結局、出版まで2年の月日がかかってしまいました。
でも、正直、かなり後半まで「本が出るとかドッキリなんじゃね?」と、
心の隅で思ってましたよね。
だって、僕ですよ? わりと無名ですよ?
でも、担当編集の小橋川さん、イラストの麻美たん、
デザインの林陽子さんのご尽力のもと、
本当に本が完成し、2016年6月17日に発売されることになりました。
既に数件、出版記念イベントのオファーをいただき、
予約数もけっこう伸びているようです。
とりあえず、ドッキリでも夢でもなかったので、
何卒、よろしくお願いいたします。売れたいです!