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脳みそのチューニング2015.03.06

幕が上がるとき

気がついたら3月になっていましたね。
どうやら、今季から本格的な花粉症を煩ったらしく、
朝起きたらクシャミを一発、外に出たらクシャミを二発。
四六時中、嗅覚を奪われる日々を送っています。
(早く処方してもらわなきゃ)

さて、タイトルの話に。

2月末から公開されている『幕が上がる』。
高校生の彼女たちが所属する弱小演劇部たちが、
熱血教師の指導の下、学生演劇の全国大会を目指す青春映画。

特段、アイドルや邦画に熱中してこなかった僕なのに、
今、この映画に猛烈に興味を持っています。
話題性という理由はもちろんありますが、
彼女たちのリアルを最大限に引き出す、
コンテンツの仕組みに惹かれたのも大きいかもしれません。

ももクロのキャッチフレーズ、
「今、会えるアイドル」「週末ヒロイン」。
平日は高校生、週末はアイドル。
80年代のアイドルドラマのようなストーリーが、
リアルに感じられる一言。まさにキャッチの力。

ブログを書いているこの春、
メンバー最後の現役高校生が卒業。5人中0人が高校生。
目の前の壁を越えることに傾倒する高校生だった経験を、
今このタイミングに再現する、決意と意志の強さ。
これからさらに変化していく関係性を、
まじまじと見せつけられるような期待感があります。

そして、この映画はスクリーン内で終わらない。
今年5月から約1カ月、900人規模の劇場で、
主要キャスト&スタッフ変わらず、舞台化されるとのこと。
リアリティーからリアルへ。ファンならたまらないはず。

この二つのステージの橋渡しをするのが、
映画のクチコミ、舞台のチケット争奪戦などの保温性。
ということは、ほとんどのカスタマーが
この映画を観てから、舞台へ行くことになるでしょう。

コンテンツのストーリーを設定するときは
太いタテ軸を設定するのがもちろんなのですが、
一幕下がったら、次の幕をどう展開していくかを
緻密に計画していくことが大切。
軸っぽいコンテンツをそれらしく配置しても、
フィニッシュテープを探して迷走するだけですし。
もちろん、中間地点の花火の上げ方も、
手を打っておかなきゃならないですね。

あとは、幕の上げ方。
始まる前にある背景を、どれだけ引き出せるか。
さらに、反映できるか。
点と点をつなげて、リアリティーを演出し、
リアルな表情を引き出していく手法は
彼女たちだからこそ、なし得るものだと思います。

確実に好きになるな、と予感させる
本当に見事なパッケージですよね。関心。
(早く観に行かなきゃ、舞台のチケット取れるかな)

あ、そもそも、彼女たちを知ってから、
僕の中のアイドル観が変わった気がします。
吹き出すほどの汗をかいて、笑顔で振る舞う姿。
アイドルの可能性を、バコンと、
チューニングしてくれました。感謝です。

「名前だけでも覚えて帰ってください」
この言葉から幕が上がったアイドル人生を、
今後もそっと見届けたいと思います。


後記:
幕が上がる、観てきました。ニヤニヤが止まりません。
アイドル映画とは違う、真っ向勝負の青春群像劇。
順撮りらしい演出がこれまた自然で。
終演後、「あ、ももクロだったんだ」と
不意を突かされるほど、先入観なく没入してました。
絶妙な距離感がたまらなかったな。映画ってすばらしい。

船木 俊作

船木 俊作

1991年/新潟県新潟市出身
文系の大学を卒業後、百貨店系の広告制作会社を経て、Rockakuに入社。
メンバー最年少として、リサーチからライティングまで幅広く担当する。
得意なフィールドはフード、アパレルなど。

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