2009.10.14
[ 1.つたえるちから ]
第1回カリキュラナイト@copilot(2009.10.9)
全ては、多摩美時代、
椹木野衣先生の授業で見せられたビデオからはじまった。
サイケデリックで、「スマートではないスタイリッシュさ」があふれる、
むちゃくちゃかっちょいいオープニング。
そして「どうかしている感」満載のスピーディーでコミカルな展開。
それが『カリキュラマシーン』の第一印象だった。
70年代、伝説と歌われた『ゲバゲバ90分』を手がけたスタッフが、
そのクリエティビティを注ぎ込んでつくった子ども番組である。
※こんな感じ
入手したかったけど、当時は学生には
高価なセルビデオしかなくて、そのまま断念した。
が、最近ふと思い出してアマゾンで調べたら、
DVDボックスが発売されていたので即買いしたのだ。
しかしながら、一人でまとめて見るのもつまらないなあと、
しばらくほったらかしていた。
んで最近入り浸っているTwitterで、
「誰か一緒にカリキュラマシーン見ましょうよ」とつぶやいたところ、
「ねじ山」でもお世話になったAR三兄弟の長男こと川田十夢さん
(ITデザインハックで絶賛連載中!)が呼応。
当時の制作背景などを深く知る編集者さんを
解説者としてブッキングしていただけた。
そこでRockakuがデスクを置かせていただいているcopilotさんの会議室をおかりしての
上映会「カリキュラナイト」開催の運びとなったわけである。
ゲストも幅広く、劇団「悪魔のしるし」主宰の危口さんと、
その美術を手がける建築家氏、
若き日のRockaku森田と企画展を手がけてくれた盟友であり、
最近では椎名林檎のPV制作などもこなす
「合同会社アイデアスケッチ」代表の山口真人氏、
様々な音楽制作を手がけるQUREAさん、
毎度おなじみ、後輩の夫婦クリエイターズ「田印」、
そしてRockaku森田の"バカ弟子"こと、某社コピーライター・ハヤシダ......と、
システム開発、舞台、空間、映像、音楽、テキスト等々、
見事に分野のベクトルがバラバラなメンツが揃った。
当時の資料と詳細な解説、各人の意見交換を交えた
鑑賞会は2時間以上に及び、
非常に濃厚で、有意義なものになった。
そこでわかったことは、
「突き抜けた最新型」は古びることなく時代を飛び越える、
「強度」を持つということだった。
宮川泰を中心に数百は作曲されたというオリジナル楽曲、
なんの説明もなく茶の間に座るやけにリアルなゴリラ、
日活ニューフェイス・宍戸錠の怪演、
90年代のヒップホップ台頭を予言したかのような
スクラッチ音を使用した演出、
50音から「を」を除外するか否かを真剣に議論・提言する姿勢、
徹底的に作り込まれたコントパートとアニメーションパート、
そしてそれらを繋ぐリズムの緻密な計算.........
音楽、映像、演出、編集、デザイン。
全てが当時の最先端であることはもちろん、
クオリティの点でも飛び抜けた存在だったことは、
まず間違えない。
だからこそ、進行形で活動するプロのクリエーターが揃って見ても、
物凄く面白いし、随所で「やられた感」を味わうことが出来る。
しかしながら、着目するべきはその芯にある「教育」への情熱だ。
その温度の高さは、編集者さんが提供してくださった
当時の企画書(超・貴重)からもうかがい知ることが出来る。
編集者さん曰く、世間での「カリキュラマシーン」再評価の多くは、
ちりばめられたギャグや、シュールな展開にしかなく、
その骨子を貫く「教育=カリキュラム」とその表現に対する姿勢が
置き去りにされているのだという。
企画段階での手法も行くところまで行っていたらしい。
数十人の構成作家をデカイ部屋に閉じこめて企画を書かせ、
書き上がったもので紙ヒコーキをつくって、
よく飛んだものから制作していくとか......
「量」から「質」を構築していく手法は、
面白法人カヤックさんに通じるものがある...といったら怒られそうだけど。
編集者さんの解説を聞きながら、
川田さんや僕は、この「意志」を引き継いだ上で、
「いま、どんなものをつくるべきか」を考えはじめている。
この会は今後、シリーズ化する予定。
どんなクリエーターを巻き込み、
どんな掘り下げ方をするのか......
そして、どのようなかたちで、表層に終わらない、
「芯からのリスペクト」を持った「アウトプット」ができるのか。
その答えは、もうちょっと先のことになりそうだ。
