2009.02.05
[ 1.つたえるちから ]
架空の壁
「知らない」と言うことは、
マイナス方向でのイマジネーションを刺激する・・・らしい。
現在関わっている現代美術がらみの案件で、
ギャラリスト(美術商)さんとこんな会話になった。
その場にいたのは4人。
ギャラリストとその共同経営者(本業はCD)、
エディターと私だ。
エ「絵の買い方って、ちゃんと説明した方がいいですよね」
ギャ「買い方?」
CD「買い方?」
エ「いや、だって、買ったことないから知りませんもん」
私「確かに」
ギャ「買い方も何も・・・値段聞いてもらって、契約するだけです」
CD「うん。そんだけだね」
私とエディターはちょっと驚いていたのだ。
そこに複雑なやりとりが介在しないことに。
私「紹介状とか、会員制度とか、そういうのはないんですか?」
ギャ「ないよ。ふつうに買うだけ」
そう。
「知らない」という事が、そこに壁をつくる。
紹介状や、会員制度といった、自分を遠ざける「架空の壁」を。
結局、未知のものには関わらない。
関われないのだから、踏み込まなくていいだろう。
そういった消極的判断の理由を勝手につくってしまうのが人間だったりする。
非常に貴重な示唆を得た気がする。
コピーの、プロモーションの役割は、
要点を主張することだけではないようだ。
まずは、知らせる。
明確に、丁寧に、注意深く、紳士的に。
「架空の壁」は、センセーショナルなフレーズや、
派手なデザインでたたき壊せるものではなく、
まっすぐな言葉で、ふっと、息を吹きかけるように
取り除くしかないからだ。
